【9月6日 AFP】中国東部の杭州(Hangzhou)市で開かれていた20か国・地域(G20)首脳会議(サミット)は5日、自由貿易とグローバリゼーションの擁護と保護主義回帰への反対をうたうとともに、停滞した世界経済の緊急の活性策が必要だとした首脳宣言を採択して閉幕した。

 風光明媚(めいび)な都市でありながら、市内にはほとんど人けがなく、広大な施設を舞台に細かい演出が施された今回のG20。ポピュリズムが台頭する中、各国首脳はあえてさまざまな課題に深く踏み込むことを避け、シリアの停戦に向けた和平交渉の停滞とアジアの領有権問題が議題に影を落とした。

 閉幕に当たり、議長国を務めた中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は、「多角的貿易体制を支持し、保護主義に反対することで一致した」と述べ、最後に、とりわけ鉄鋼部門での過剰生産という課題に取り組み、法人課税の面で国際社会への協力を進めていく決意を示した。

 一方、各国首脳は共同首脳宣言の中で、金融市場の不安定さ、貿易・投資の低調、物価変動の激しさなど、さまざまな経済不振の要素を指摘した。

 また難民・移民危機についても言及し、難民受け入れの負担をより平等な形で分担していくことを呼び掛けるとともに、各国に人道支援を強化するよう促した。(c)AFP/Sarah STEWART