デルポトロ対ワウリンカ、準々決勝で四大大会元王者対決が実現
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【9月6日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)は5日、男子シングルス4回戦が行われ、大会第8シードのドミニク・ティエム (Dominic Thiem、オーストリア)の途中棄権により、ファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro、アルゼンチン)がベスト8入りを果たすと、準々決勝はスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)と四大大会(グランドスラム)優勝経験者同士の対決が実現することになった。
世界142位のデルポトロは、右肩の治療を要求する場面もあったが第1セットを6-3で先取すると、続く第2セットでは3-2とリードした時点でティエムが右膝のけがを理由に棄権を申し出たため、過去25年間の大会でベスト8に進出した選手としては、最も世界ランキングが低い選手になった。
1991年に当時世界174位で準決勝に進出したジミー・コナーズ(Jimmy Connors)氏以来、2番目に低いランキングでベスト8入りを果たしたデルポトロは、膝が曲げられない状態だったと明かしたティエムについて、「誰もがこんな形で試合に勝ちたいとは思っていない。ドミニクには素晴らしい未来が待っているし、すぐに回復することを願っている」とコメントした。
2009年大会で全米王者に輝きながらも、その後は度重なる手首の故障に悩まされ、3度の手術を余儀なくされるなど一時は引退の危機に立たされたデルポトロは、次戦で第3シードのワウリンカと激突する。
■グランドスラム通算2勝のワウリンカ「良い試合になると思う」
全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament)や全仏オープン(French Open)で優勝経験のあるワウリンカは、4回戦でイリヤ・マルチェンコ(Illya Marchenko、ウクライナ)に6-4、6-1、6-7(5-7)、6-3で勝利している。
今大会開幕前まで7連敗していたマルチェンコは、第3セットで3-5とリードを許した状態からタイブレークに持ち込み、そのセットを奪取すると、対するワウリンカは第4セットでラケットを破壊したことで警告を受けたが、そこから息を吹き返し、その後は5ゲームを連取して試合に終止符を打った。
49本のウイナーを記録したワウリンカは試合後、「第3セットを落としたのはタフだったが、試合全体を見据えていた」とコメントし、次の対戦相手のデルポトロについては、「彼と再びプレーできるのは本当に素晴らしいことだ。良い試合になると思う」と語った。
デルポトロが準々決勝でワウリンカに勝利した場合、2000年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)で、当時世界ランキング237位のウラジミール・ボルチコフ(Vladimir Voltchkov、ベラルーシ)が4強を果たして以来、最も低い世界ランキングでグランドスラム準決勝に進出した選手になる。また、現在のデルポトロより低い世界ランクで四大大会の決勝に駒を進めた選手は、これまでの歴史で存在していない。(c)AFP