【9月5日 AFP】欧州連合(EU)は4日、低調な域内のアニメ映画産業がピクサー(Pixar)やドリームワークス(DreamWorks)といった米大手制作会社と対抗するために支援に乗り出す方針を発表した。

 EUの行政機関である欧州委員会(European Commission)のギュンター・エッティンガー(Guenther Oettinger)委員(デジタル経済・社会担当)は、ベネチア国際映画祭(Venice International Film Festival)に出席した際に「欧州のアニメ業界に力を注ぎたい。欧州の大手アニメ制作会社との意見交換を立ち上げ、具体的な課題と機会を明らかにして、2017年半ばまでに共同の行動計画をまとめたい」と語った。

 エッティンガー委員は、EUの著作権法を見直して「欧州の映画産業をデジタル単一市場で成功させる」ための提案を、今月中に行う予定だ。また映画作品が国境を越えて普及するよう、EU域内で制作された既存の字幕版や吹き替え版については、より簡単な使用を可能にするオンライン・アーカイブを今年度中に創設したいという。

「ライセンス供与の拠点拡充や、欧州の作品が映画館で上映されていない国々や全国的な配給会社が存在しない国々でもデジタル配信できる仕組み作りを行いたい」とエッティンガー委員は述べた。(c)AFP/Ella IDE