パンダの絶滅危機は一安心、ゴリラは「絶滅まであと一歩」
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【9月5日 AFP】国際自然保護連合(IUCN)は4日、世界の野生動植物の絶滅危機の度合いを示す「レッドリスト(Red List、絶滅危惧種リスト)」を更新し、中国の保護活動によって個体数が増えたジャイアントパンダについて、近い将来における野生での絶滅の危険性が高い「絶滅危惧IB類(絶滅危惧種)」から、絶滅の危険が増大している「絶滅危惧II類(危急種)」に引き下げた。一方、コンゴ(旧ザイール)で密猟が急増しているヒガシゴリラは、3段階ある絶滅危惧種の分類のうち最も危険度が高い「絶滅危惧IA類 (近絶滅種)」に1段階引き上げた。
IUCNによると、最新の調査における野生のジャイアントパンダの成獣の推定個体数は1864頭。幼獣の推定個体数を加えると約2060頭になるという。「広範囲にわたる一連の全国調査によって、個体数の減少に歯止めがかかり、増加に転じたことが示された」と、IUCNの報告書は述べている。
一方、現存する最大の霊長類とされるヒガシゴリラは、野生生息数がわずか5000頭に減少し、完全に絶滅する危険に直面しているとIUCNは指摘した。ヒガシゴリラには2亜種がいるが、このうちヒガシローランドゴリラは1994年には1万6900頭いたのが2015年にはたった3800頭に激減。専門家によると密猟が最大の原因だという。一方のマウンテンゴリラはやや個体数が回復したものの、880頭しか生息していない。
今回の更新により、地球上に生息する大型類人猿6種のうち、ヒガシゴリラ、ニシゴリラ、ボルネオオランウータン、スマトラオランウータンの4種がIUCNのレッドリストで「野生での絶滅まであと一歩」とされる「絶滅危惧IA類」に指定された。残るチンパンジーとボノボも「絶滅危惧IB類」に分類されている。(c)AFP/Kerry SHERIDAN