【9月4日 AFP】仏風刺週刊紙シャルリー・エブド（Charlie Hebdo）が先月下旬にイタリアで発生した地震の被災者をやゆするような風刺画を掲載した問題で、イタリアのアンジェリーノ・アルファノ（Angelino Alfano）内相は3日、非外交的に同紙に対して怒りをあらわにした。

　問題となった風刺画の中には、がれきの間に挟まれた地震の犠牲者たちの様子をラザニアに例えて描写したものもあり、300人近くが死亡した8月24日の地震による心の傷もまだ生々しいイタリアで、同紙への怒りが爆発した。

　アルファノ内相も、週末にコモ湖（Lake Como）の湖畔の街チェルノッビオ（Cernobbio）で開かれた会議の際、記者団に対し、2015年1月に仏パリ（Paris）のシャルリー・エブド本社がイスラム過激派に襲撃された事件でイタリアは同紙を支持した事実を指摘したうえで、「彼らが風刺を用いてペンを突き刺すべき場所はどこなのか、忠言してやりたい」と述べ、「シャルリー襲撃事件でわれわれは死者のために泣いた。なのに彼ら（シャルリー紙）はわれわれの死者をあざけっている」と非難した。

　この風刺画に対しては、ソーシャルメディア上などでも怒りの投稿が相次いでおり、アンドレア・オルランド（Andrea Orlando）法相も「非常に不快だ」と批判。ピエトロ・グラッソ（Pietro Grasso）上院議長は、「風刺や皮肉を表現する自由」は尊重するものの、「私にはこの風刺画が最低だと言う自由がある」と述べた。(c)AFP