【9月4日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領と中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は3日、地球温暖化の新しい枠組みとなる「パリ協定(Paris Agreement)」を批准したと発表した。オバマ大統領は両国のパリ協定参加について「私たちがついに地球を救う決意に至った瞬間」だと述べた。

 パリ協定は地球温暖化を抑制し、自然災害の危機に瀕する途上国に対して数兆ドル(数百兆円)規模の援助をするという野心的な目標を設定している。温室効果ガス排出量で世界第1位と2位の米中の参加は、パリ協定発効に向けた大きな前進といえる。

 批准文書をオバマ大統領と習主席から受け取った国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、パリ協定の年内発効に楽観的な見通しを示した。

 中国・杭州(Hangzhou)で行われた式典でオバマ大統領は、気候変動は「他のどの困難よりも劇的に今世紀の輪郭を特徴付けるものだ」と述べ、パリ協定が「私たちが地球を救うことを決意した転機」だったことがいずれ分かるだろうと付け加えた。

 パリ協定は、地球上の温室効果ガス55%を排出する55か国が批准した時点で発効するため、全世界の温室効果ガス排出量の約40%を占める米国と中国の参加は極めて重要だ。パリ協定を批准した国は、これまでフランスや地球温暖化による海面上昇に影響を受ける島国を含む24か国にとどまっていた。

 中国の全国人民代表大会(National Peoples Congress、全人代、国会に相当)は3日、米中首脳の批准発表に先立ちパリ協定の批准を承認した。習主席は、中国は地球温暖化対策に厳粛に取り組むと述べた。

 潘事務総長は、パリ協定への批准をさらに促すため、今月末にニューヨーク(New York)でハイレベル会合が開催されると述べ、オバマ大統領と習主席がパリ協定発効に向けた努力に「パワフルな勢いをもたらした」と述べた。(c)AFP/Andrew BEATTY and Tom HANCOCK