【9月4日 AFP】フィリピン当局は3日、ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領の地元ミンダナオ島ダバオ(Davao)で2日に発生した爆破事件について、イスラム原理主義過激派グループ「アブサヤフ(Abu Sayyaf)」による犯行との見方を示した。

 事件は2日午後11時(日本時間3日午前0時)頃、ダバオ中心部の高級ホテル近くにある市場で簡易爆弾装置が爆発したもの。警察などによると、これまでに少なくとも14人が死亡したほか、67人が負傷。うち16人が重体となっている。ドゥテルテ大統領も当時ダバオに滞在中だったが、現場の市場付近にはいなかったため難を逃れた。

 爆発についてマーティン・アンダナール(Martin Andanar)大統領報道官は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に忠誠を誓ったイスラム過激派グループ、アブサヤフの存在が背後にあるとドゥテルテ大統領は確信していると発表。ダバオ市長でドゥテルテ大統領の娘でもあるサラ・ドゥテルテ(Sara Duterte)氏も「大統領官邸から爆破はアブサヤフによる報復だとの連絡が市のほうにあった」とCNNフィリピンに語った。

 デルフィン・ロレンザーナ(Delfin Lorenzana)防衛相もアブサヤフによる報復との見方を示し、ダバオから約900キロ離れアブサヤフが拠点としているホロ(Jolo)島で数日前に政府軍とアブサヤフが交戦しアブサヤフ側に多数の死者が出たことから報復の可能性を予見して軍に警戒を求めていたと語った。

 ドゥテルテ大統領は3日未明、記者団を前に、今回の爆発事件を「テロ行為」とみなし軍に法的特権を与える「無法状態」を宣言している。(c)AFP/Ferdinandh Cabrera