【9月4日 AFP】全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)は3日、男子シングルス3回戦が行われ、かつては「フェデラー2世」との呼び名やマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)の恋人として注目を集めたグリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov、ブルガリア)がジョアン・ソウザ(Joao Sousa、ポルトガル)を6-4、6-1、3-6、6-2で下し、大会第2シードのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)が待つ4回戦へ駒を進めた。

 2014年に台頭し、その年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2014)では準々決勝、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2014)ではベスト4に進出したディミトロフだったが、2015年シーズンから今年の前半戦にかけては調子を落としていた。また、今年5月から6月の間には6連敗を喫するなど、ランキングも過去3年間で最低となる40位まで落ち込むスランプを経験していた。

 しかし、今夏からは過去にマレーのコーチを務めていたダニエル・バルベルドゥ(Daniel Vallverdu)氏とタッグを組んで、復活の兆しを見せ始めている。ロジャーズ・カップ(Rogers Cup 2016)では錦織圭(Kei Nishikori)に敗れたもののベスト8進出、つづくウェスタン&サザンオープン(Western and Southern Open 2016)でもスタン・ワウリンカ(Stan Wawrinka、スイス)を破る活躍を見せ、準決勝では優勝したマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)にフルセットの末敗れたものの、2014年以来となるマスターズベスト4を記録した。

 元世界ランキング8位のディミトロフは、「この1年半で多くのことが変化したと思う。またテニスと恋に落ちた。それぐらいシンプルなことだけど」と語り、「もう1度過程を楽しめはじめたし、練習が再び楽しめている。朝早く起きて練習に行くこと、アイスバスに入ること、やることすべてを楽しめているような気がする」と精神的な変化を口にした。

 テニスに対する情熱を強めたというディミトロフは、「他のことは何も考えていない。コートに上がる前に息が切れるほど緊張していることをコーチに訴えたり、試合前の緊張さえ楽しみ始めた。そういった瞬間は、これからのキャリアでも感謝し続けるものだと確信している」と話す。

 準々決勝進出を懸けて4回戦で激突するマレーとは対戦成績で3勝6敗と負け越しているが、前回対戦した今年3月のマイアミ・オープン(Miami Open 2016)では勝利している。

 マレーとの対戦について現在世界ランキング24位のディミトロフは、「お互いのスタイルが試合でかみ合うように思う。アンディとの試合は大きなチャレンジになるだろう」と語った。

「(マレーは)今までで最も準備できた状態で待ち構えている。信じられないテニスをしていて、自身に満ちあふれている。何をすべきか理解しているんだ」

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