トルコ軍、シリア北部に新戦線 米軍は新配備兵器でISを攻撃
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【9月4日 AFP】トルコ軍は3日、シリア北部の要衝の村ライ(Rai)に戦車を新たに送り、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」掃討のため先月開始したシリア領内での軍事作戦「ユーフラテスの盾」で新たな戦線を開いた。国営メディアが伝えた。
トルコ国営アナトリア(Anadolu)通信は、戦車がシリアの反体制派武装組織を支援するため「ユーフラテスの盾」作戦の一環としてキリス(Kilis)県からライ村に進攻したと伝えた。ドアン(Dogan)通信によると、この日正午すぎに少なくとも20台の戦車、5台の兵員輸送車、トラック、その他の装甲車両がシリアに越境したという。
ユーフラテスの盾は、約5年半続いているシリア内戦をの中でトルコのものとしては最も意欲的な作戦。戦車に加えて軍用機や特殊部隊も投入し、シリアの反体制派を支援している。国境地帯からISを排除するとともに、シリアのクルド人民兵部隊「クルド人民防衛部隊(YPG)」の西進を食い止めるのが狙いだ。
バラク・オバマ(Barack Obama)米政権で対IS有志連合の調整役を担うブレット・マクガーク(Brett McGurk)大統領特使は短文投稿サイト「ツイッター(Twitter)」への書き込みで、米軍は2日未明、シリアと接するトルコ国境地帯に「新たに配備した」移動式ロケット弾発射装置でISの標的を攻撃したと述べた。
■米軍、新たに「HIMARS」を使用
中東を管轄する米中央軍(US Central Command)のジョシュ・ジャック(Josh Jacques)報道官は3日、トルコ領内に配備された「HIMARS(高機動ロケット砲システム)」で米陸軍がISの戦術部隊と建築物に攻撃を加え、成功したとAFPに明らかにした。
ジャック報道官は、HIMARSはこれまでに配備されていた兵器よりも遠距離からより正確に攻撃することが可能で、爆発の影響範囲も小さく、民間人への人的・物的な被害を減らせると述べた。HIMARSはイラクとアフガニスタンでの作戦でも数年前から使用されていたという。(c)AFP