クリミア・コンゴ出血熱で1人死亡、200人を検査 スペイン
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【9月2日 AFP】スペインの保健当局は、致死性のウイルス感染症、クリミア・コンゴ出血熱(CCHF)で男性1人が死亡し、治療に当たっていた看護師が感染したことを受け、約200人に対するスクリーニング検査を開始した。当局者らが1日、明らかにした。
マドリード州政府は声明で、62歳の男性が「コンゴ熱」としても知られるこの感染症を発症し、首都マドリード(Madrid)の病院で8月25日に死亡したと述べた。
男性は、北西部のカスティーリャ・イ・レオン(Castilla y León)州の田園地帯を歩いていた際にダニにかまれ、クリミア・コンゴ出血熱ウイルスに感染したと考えられている。
病院の集中治療室で男性の治療に当たっていた看護師が感染し、現在は隔離病棟で治療を受けている。
保健当局は、男性と看護師に接触のあった約200人を特定し、クリミア・コンゴ出血熱の症状に関して経過観察を実施している。
公共保健機関の医療従事者らが1日に2回、経過観察対象者の体温を測っている。感染患者2人の体液に触れた危険性が高い人々は、自宅から出ないように命じられている。
クリミア・コンゴ出血熱はウイルス性の出血熱疾患で、さまざまな種類の家畜から、ダニを媒介として伝播する。
人への感染は、感染した動物の血液への接触や、ダニを介して発生する。感染患者から他の人への感染は、患者の血液や体液に接触することで起きる可能性がある。
クリミア・コンゴ出血熱ウイルスは、アフリカ、アジア、中東、東欧、欧州南西部などに生息するダニが保有することが確認されている。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、欧州で人への感染が発生した事例は、アルバニア、アルメニア、ブルガリア、ギリシャ、カザフスタン、コソボ、ロシア、セルビア、タジキスタン、トルコ、トルクメニスタン、ウクライナ、ウズベキスタンなどの国々で報告されているという。
クリミア・コンゴ出血熱ウイルスは、致死率が10~40%で、高熱、嘔吐(おうと)、腹痛などの症状が出るが、病状が悪化すると、広範囲に及ぶ重度の出血斑や激しい鼻出血なども多くみられる。(c)AFP