【9月1日 AFP】2020年の東京五輪・パラリンピック招致をめぐり、不正な支払いがあったのではないかとの疑惑について、日本オリンピック委員会(JOC)が設置した調査チームは1日、招致委員会がシンガポールのコンサルタント会社に支払った280万シンガポールドル(約2億2000万円)に贈収賄の証拠はなく、「違法性はない」とする報告書を発表した。

 当時、国際オリンピック委員会(IOC)の委員だったラミーヌ・ディアク(Lamine Diack)元国際陸上競技連盟(IAAF)会長の息子、パパ・マッサタ・ディアク(Papa Massata Diack)氏の所有するシンガポールのコンサルタント会社に対し、東京五輪の招致委員会が280万シンガポールドルを支払ったことについて、フランスの検察当局は5月、調査を行っていることを明らかにした。これを受け、JOCでは弁護士ら3人からなる調査チームを設置した。

 報告書は、招致委員会の契約が日本の法律に違反することはないとし、また、フランスの刑法においてもいかなる犯罪になるものではなく、さらにIOCの倫理規定にも違反しないと結論付けた。

 調査チームの座長を務めた早川吉尚(Yoshihisa Hayakawa)弁護士は記者会見で、「招致委の贈賄についてはクリアに疑いが晴れたと思っている。その結果に満足している」と述べた。だが、ディアク氏親子や現在は存在していないコンサルタント会社の当時のトップら主要人物らから聞き取りを行えなかったことなどを挙げ、強制捜査を行う権限のない調査チームの限界の中で最善を尽くしたと述べた。(c)AFP