「ムスリムはテロリスト」 仏飲食店で女性ら入店拒否
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【8月30日 AFP】仏パリ(Paris)近郊のレストランで、ベールを着用していたことから入店を断られ、店主に「テロリスト」呼ばわりされた女性ら2人が29日、当局への申し立てを行った。この店主は「全てのイスラム教徒はテロリスト」と発言したという。イスラム嫌悪に反対する仏活動組織「CCIF」が明らかにした。
今回の一件について、仏検察当局は「宗教的差別」があったかを調べるとしている。CCIFは、仏社会における「人種差別的傾向」が露呈したものと指摘した。
パリ近郊トランブレ・アン・フランス(Tremblay-en-France)にあるレストラン「Le Cenacle」で起きた騒動については、女性たちの1人が当時の様子をスマートフォンで撮影しており、その動画をインターネットに投稿した。
動画には「人種差別主義者にもてなしてもらいたくない」と発言する女性と、これに対して「自分のような人種差別主義者は爆弾を仕掛けないし、誰も殺さない」と言い返す店主のやり取りが捉えられていた。店主はさらに「テロリストたちはイスラム教徒だし、イスラム教徒は全員テロリストだ。お前らには自分の店に来てもらいたくない。わかったら出ていけ」と女性たちに向けて言葉を続けた。
店主はその後、自らの発言をめぐり「イスラム社会全体」に対して謝罪しているが、ソーシャルメディア上では、店に対する批判が数多く寄せられた他、ボイコットを呼びかける声も多く聞かれた。
CCIFは声明を発表し、「イスラム嫌悪による暴力や差別が罰せられない現状」を終わらせるために、この男性に対しては民事裁判を通じて「懲罰的損害賠償」を求める方針であることを明らかにした。また、このような出来事が起きてしまう環境については、政府および政治家らに責任があるとして非難した。(c)AFP