【9月7日 AFP】男子テニスで世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は、6日に行われた全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2016)準々決勝で10年連続大会ベスト4入りを達成したが、今大会で続いている不思議な勝ち上がり方に本人は納得している様子をみせている。

 対戦した第9シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga、フランス)が左膝を負傷し、試合を途中棄権したことで勝ち上がったジョコビッチは、「準決勝まで進出した。それが自分にとっては最も重要なことだ」と語った。

 今大会のジョコビッチは、 2回戦でイリ・ベセリ(Jiri Vesely、チェコ)が負傷のため試合前に棄権すると、続く3回戦でもミハイル・ユーズニー(Mikhail Youzhny、ロシア)が試合を途中棄権し、約30分で4回戦に駒を進めた。

 対戦相手が相次いで棄権する状況について、ジョコビッチは「すべての選手が早く回復することを祈っている。僕にできることはそれしかない。もちろん、用意していたゲームプランを実行するなど、自分のやるべきことに集中しようとしている」と語った。

 第2セットの途中でツォンガの異変に気がついたというジョコビッチは、「準々決勝のナイトセッションを棄権するという状況は、彼にとって簡単なことではない。でも、それがスポーツなんだ」と話している。

 ツォンガは第2セットで2回目のブレークを許した直後に治療を要求し、ひざ下にテーピングを施す処置を受けていたが、第3セットの最初のゲームでダブルフォールトを犯したことで、試合続行を断念した。ツォンガは「左膝に痛みを感じた。以前にも同じような経験していたから、何が起きているのかわかっていた」と明かしている。

「だから、すぐに終わりだと悟った。この膝の状態で世界最高の選手と戦うことは難しいからだ。膝の調子が悪ければ(0-2から)逆転は不可能だ。その時点で、自分の体を守ることが重要になる。それがすべてだ」

 相手選手の棄権がありながらも、1回戦と4回戦の試合中には腕の治療を受けるなどコンディションに不安を見せていたジョコビッチだが、今は試合数をこなせていない不安よりも、体を休ませることができたことに感謝しているという。

「シーズンのこの時期に、ここまで1か月半近く問題を抱えてきたことを考えると、これが自分にとって必要なシナリオだった。数日間のオフを得て、体を休ませることができた。今は絶好調にかなり近い状態だと感じている」

(c)AFP