【8月29日 AFP】(写真追加)米ハワイ(Hawaii)州で28日、米航空宇宙局(NASA)が実施していた有人火星探査を想定した1年間の隔絶実験が終了した。男女6人の参加者は1年ぶりに新鮮な空気を吸い込み、メンバー以外の人々と顔を合わせた。

 6人は昨年8月28日から、マウナ・ロア(Mauna Loa)山の荒れた北斜面に建てられた直径11メートル、高さ6メートルのドーム状の施設の中で生活していた。

 参加者のフランス人宇宙生物学者、シプリアン・ベルシュ(Cyprien Verseux)氏は、ドームの外に出て新鮮な食べ物を口にできる喜びを口にし、実験中に最も苦労したのは日々の単調さだったとマイクロブログのツイッター(Twitter)に投稿された動画中継アプリ「ペリスコープ(Periscope)」のインタビューで語った。ドーム内では四季は感じられず、外に出る際には宇宙服を着用しなければならなかった。

 しかし、ベルシュ氏は実験結果については自信を見せ、「近い将来、有人火星探査は現実的になる。技術的・精神的な問題も克服されるはず」と述べた。

 実験には他に、ドイツ人の物理学者1人、米国人の操縦士、建築家、医師兼ジャーナリスト、土壌科学者が参加。6人にはそれぞれ折りたたみベッドと机が置ける狭い個室が与えられ、インターネット接続も限られた状況で、1年にわたって粉チーズやツナ缶などを食べて生活していた。(c)AFP