イスラム教徒の移民拒否は「受け入れ難い」 独首相、東欧にくぎ
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【8月30日 AFP】ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は欧州連合(EU)の一部加盟国がイスラム教徒の難民の受け入れ拒否を表明していることについて、「容認し難い」との考えを示した。ドイツは、欧州に殺到している難民をEU加盟各国に割り当て、受け入れを分担するよう求めている。
メルケル首相は28日ドイツ公共放送ARDの取材に応じ、「一部の国々は『一般論として、イスラム教徒を自国に入れたくない』と言っているが、そうした意見は間違っている」と語った。
移民の受け入れ人数を加盟国ごとに割り当てる案に賛成しているメルケル首相は「全員がそれぞれの役目を果たすべきだ」とした上で、「共通の解決策を見つけなければならない」と強調した。
9月に行われるEU首脳会議の議題に予定されているEU移民政策については意見が激しく対立し、ドイツが推す「割り当て制」によって各国で難民を受け入れ分担する案については東欧4加盟国、チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロバキアが反対している。
スロバキアのロベルト・フィツォ(Robert Fico)首相は、自国には「イスラム教徒を1人たりとも入れない」と明言している。
また、チェコのボフスラフ・ソボトカ(Bohuslav Sobotka)首相は23日、「われわれが目にしている問題を考えると…イスラム教徒の大規模なコミュニティー」は望まないとの考えを明らかにし、EU各加盟国が移民の受け入れ人数を選択できるようにすべきだと主張した。
ドイツの連邦移民難民庁(BAMF)が28日に行った報告によれば、昨年ドイツは主にシリアやイラク、アフガニスタン出身の移民・難民をおよそ100万人受け入れており、今年は最大30万人が同国に流入するとみられている。(c)AFP