【8月28日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は27日、無人探査機「ジュノー(Juno)」が、これまでのどの探査機より木星に接近したと発表した。

 時速20万8000キロで木星の周回軌道を移動中のジュノーは、太陽系最大の惑星である木星から約4200キロ離れた位置を通過したという。NASAのウェブサイトに掲載された声明によると、ジュノーに搭載された8つの科学的機器とカメラは初めてスイッチがオンにされ、木星探査ミッションが始まった。

 米テキサス(Texas)州サンアントニオ(San Antonio)のサウスウェスト研究所(Southwest Research Institute)のジュノーの主任研究員、スコット・ボルトン(Scott Bolton)氏は「これは太陽系の王様である木星を近い位置から観察し、その実態を解明する初めての機会だ」と述べた。

 木星誕生の謎を解明するために2011年8月5日に打ち上げられたジュノーは、5年間かけて木星付近に到達し、先月5日に木星の周回軌道に入っていた。

 ジュノーは木星のガス層を探索し、その組成や磁場などの観測を行う。科学者は木星に吹く強風の原因や、巨大なガス惑星として知られる木星全体がガスで構成されているのか、それとも中心核が存在するのかといった謎の解明や、木星上で数千年にわたって吹き荒れている巨大な渦「大赤斑(Great Red SpotGRS)」について学ぶことを期待している。

 主要ミッションが終了する予定の2018年2月までにジュノーはさらに35回、木星に接近する予定。ミッション終了後、ジュノーは木星の大気圏に飛び込んで自己破壊する予定という。(c)AFP