【8月26日 AFP】10代の妊娠を減らす目的で作られた「赤ちゃんロボット」に効果がなかっただけでなく、逆に出産を増加させる可能性があったとの研究が、25日の英医学誌ランセット（The Lancet）に発表された。

　研究は2003年から3年間にわたり、オーストラリアのウエスタンオーストラリア（Western Australia）州で13～15歳の少女約3000人を対象に行われた。研究チームは被験者の半数に、本物の赤ちゃんのように泣き、世話が必要なロボットの赤ちゃんを一回の週末だけ貸し出した。一方、対照群の被験者には通常の保健教育がなされた。

　研究チームは被験者らが20歳になるまで追跡調査を実施した。

　結果、研究主任のサリー・ブリンクマン（Sally Brinkman）氏によると、ロボットの赤ちゃんを貸し出したグループのほうが、若いうちに妊娠する可能性が高かったという。

　今回の研究ではその理由はわからなかったものの、ブリンクマン氏は、若年妊娠の予防がしたいのなら、こういったおもちゃの赤ちゃんを使うアイデアは推奨しないと語った。

「今回の研究はこういった研究としては過去最大規模で、最も善意の計画でさえも予期しない結果を生み出す可能性があることを浮き彫りにした」とブリンクマン氏は述べた。(c)AFP/Madeleine COOREY