【8月26日 AFP】ジャズの名盤のレコーディングを手掛け、正確かつ暖かなサウンドで多くのアーティストを魅了したルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)氏が25日、死去した。91歳だった。

 ヴァン・ゲルダー氏は、時代を超えたジャズの名盤としばしば称されるジョン・コルトレーン(John Coltrane)の1964年の作品「至上の愛(A Love Supreme)」で録音を担当した他、マイルズ・デイビス(Miles Davis)やハービー・ハンコック(Herbie Hancock)、セロニアス・モンク(Thelonious Monk)、ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)、ホレス・シルバー(Horace Silver)らの作品も手掛けた。

 訃報は、同氏がレコーディング・エンジニアを数十年務めた「ブルーノートレコーズ(Blue Note Records)」と、米ニューヨーク(New York)州北部でレコード店を経営するおいのグレッグ・バン・ゲルダー(Gregg Van Gelder)氏により明らかにされた。

 検眼技師だったヴァン・ゲルダー氏は、1940年代にレコーディング・エンジニアになることを決意。米ニュージャージー(New Jersey)州にあった両親の家のリビングルームをレコーディングスタジオとして利用した。

 当時、ニューヨークから数多くのミュージシャンが低料金で利用できるサービス目当てにここを訪れたが、エンジニアとしてまだ駆け出しだったヴァン・ゲルダー氏は、検眼技師を続けて設備の購入費に充てた。

 機微を捉え、臨場感に溢れる同氏のサウンドはブルーノートに注目され、1953年に初めて同社でのレコーディングを手掛けた。(c)AFP