【8月26日 AFP】東京大学(University of Tokyo)と東北大学(Tohoku University)の地震学者チームは25日、これまで確認されたことのなかった地球深部の地震波「脈動S波」の検出に初めて成功したと発表した。この地震波を引き起こしたのは、日本から遠く離れた北大西洋(North Atlantic)上で発生した激しい嵐だったという。

 米科学誌サイエンス(Science)で発表された今回の発見は、地球内部構造の推定や、地震や海上の嵐の検知に役立つ可能性がある。

 検出された脈動S波を引き起こしたのは、小規模ながらも急激に発達する「爆弾低気圧」と呼ばれる嵐で、グリーンランド(Greenland)とアイスランドの間で発生した。

 東京大学地震研究所の西田究(Kiwamu Nishida)准教授と東北大学地震・噴火予知研究観測センターの高木涼太(Ryota Takagi)助教は、防災科学技術研究所(NIED)が中国地方に設置している地上と海底の地震計を用い、この嵐によって海底に繰り返し打ち付けられた波浪に起因するごく微弱な脈動S波を初めて検出したという。(c)AFP