名物パスタ食べて被災者支援を 伊で賛同700店、世界にも呼び掛け
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【8月26日 AFP】イタリア中部で24日未明に発生した大地震で壊滅的な被害を受けたアマトリーチェ(Amatrice)村を支援するため、飲食店が同村生まれの人気パスタ料理「スパゲティ・アマトリチャーナ」をメニューに加える活動が広がっている。これまでに国内の料理店700店以上が賛同した他、海外へも広がる動きを見せている。
活動のきっかけを作ったのは、首都ローマ(Rome)出身のグラフィックアーティスト、パオロ・カンパーナ(Paolo Campana)さん。各地のレストランに対し、アマトリチャーナをメニューに加え、1皿につき2ユーロ(約230円)を被災者支援のために寄付しようという企画をフェイスブック(Facebook)上で提案したところ、大きな反響が集まった。
カンパーナさんはAFPの取材に対し、25日昼までに700店以上から協力の申し出があったと語った。また、「スローフード(Slow Food)」運動の提唱者カルロ・ペトリーニ(Carlo Petrini)氏や、英カリスマシェフのジェイミー・オリバー(Jamie Oliver)氏もこれに賛同。「#EatForItaly(イタリアのために食べよう)」というハッシュタグを添えて、世界に向け協力を呼び掛けている。
首都ローマを含む同国中部の郷土料理の一つであるアマトリチャーナソースは、アマトリーチェを取り囲む険しい山々に暮らす羊飼いが生み出したとされる。毎年恒例のアマトリチャーナの祭典を数日後に控える中で発生した地震では、カンパーナさんいわく村一番のアマトリチャーナが食べられる場所だったホテル・ローマ(Hotel Roma)も倒壊してしまった。
アマトリーチェは風光明媚(めいび)な山間部の村で、毎年夏になると何千人もの人々がこの名物パスタを目当てに訪れる。しかし同村で再びアマトリチャーナが楽しめるようになるには、相当の時間がかかる見込みだ。
カンパーナさんは、「プーリア(Puglia)からトスカーナ(Tuscany)まで全国各地、さらに国外のレストランからも連絡があった。企画を海外にも広められるよう、ロゴを複数の言語へ翻訳してほしいという依頼も受けた。これまでアマトリチャーナを作ったことがなかった店まで、試してみると言ってくれている」と話している。(c)AFP/Marie MOLEY