【8月25日 AFP】米国防総省の高官は24日、ペルシャ湾(Persian Gulf)の入り口に当たるホルムズ海峡(Strait of Hormuz)で、イランの軍艦4隻が兵器を覆わない状態で米海軍のミサイル駆逐艦近くを航行する「危険かつプロ意識に欠ける」接近があったとAFPに明らかにした。

 匿名を条件に語った同高官によると、異常接近は23日、イランとアラブ首長国連邦(UAE)に挟まれた重要な交通路であるホルムズ海峡の国際水域で発生。接近を受けた米海軍の誘導ミサイル駆逐艦ニッツェ(Nitze)は警告射撃や警笛などでイラン艦船との連絡を試みたものの、反応はなかったという。

 米軍の準機関紙「星条旗新聞(Stars and Stripes)」によると、ニッツェは衝突を避けるため、近くに海上の石油掘削装置(リグ)があるにもかかわらず進行方向の変更を迫られた。イラン艦船はニッツェから300メートルほどの距離まで接近した後、現場水域を離れたという。

 ペルシャ湾では今年1月にも、不注意が重なってイラン領海に迷い込んだ米巡視船2隻がイラン側に拿捕(だほ)され、乗組員10人が一時拘束される事件が起きている。(c)AFP