【8月24日 AFP】フランスのジャンマルク・エロー(Jean-Marc Ayrault)外相は22日、同国を訪れる観光客が今年に入ってから7%減少したと明らかにし、要因として過激派による襲撃事件と悪天候、交通機関のストを挙げた。

 観光分野も所管しているエロー氏は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」による攻撃が観光客離れの要因の一つになっていると述べたほか、リスクに対する認識が特に富裕層やアジアからの観光客に影響を与え、経済困難に直面しているロシアやブラジルの観光客も減少していると指摘した。

 エロー氏はまた、第2四半期に雨が降った日が例年より50日多く、洪水で冠水した道路の写真が出回ったことや公共部門のストライキも要因になっていると付け加えた。

 地方観光局のフランソワ・ナバロ(Francois Navarro)氏によれば、パリ(Paris)だけでもホテルの宿泊数は11.4%低下し、10億ユーロ(約1100億円)の減収となった。同氏はパリを訪れた観光客の減少率は日本人が46.2%、ロシア人が35%、イタリア人は27%だったと述べた。

 昨年11月にパリで発生し130人が犠牲になった同時襲撃事件によって観光客が減少したことから、関係者は今年7月にフランスで無事に開催されたサッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)後の巻き返しを期待していた。観光客数世界1位のフランスでは観光部門が国内総生産(GDP)の約9%を占めている。

 しかし、同選手権の終了からわずか数日後、ISを信奉していたとみられるチュニジア人がフランス南部ニース(Nice)で革命記念日の花火見物客にトラックで突っ込み、86人が死亡する事件が発生し、夏に予定されていた多くの行事が安全上の懸念から相次いで中止されていた。(c)AFP