【8月23日 AFP】今年4月に急逝した米国の伝説的ポップミュージシャン、プリンス(Prince)さんの死因が、偽造薬の摂取によるものだった可能性が浮上し、当局が捜査していることが分かった。地元紙が22日、報じた。

 プリンスさんの地元ミネアポリス(Minneapolis)の日刊紙スター・トリビューン(Star Tribune)によると、当局はプリンスさんが遺体で見つかった自宅兼スタジオのペイズリー・パーク(Paisley Park)から、一般に中程度の痛みを緩和するため処方されるヒドロコドンと表示されていた薬剤を押収。だがその成分を調べたところ、実際にはプリンスさんが処方を受けていなかった強力な鎮痛薬フェンタニルが含まれていたことが分かったという。

 4月21日に死去したプリンスさんについては、先に行われた検視でフェンタニルを誤って過剰摂取したことが死因だったとの結果が出ていたが、薬剤の入手経路については発表されていなかった。

 スター・トリビューン紙は匿名筋の話として、捜査当局は「プリンスさんがその薬(フェンタニル)が含まれていることを知らずに薬剤を摂取したとの説に傾いている」と伝えている。

 プリンスさんは死亡する直前、カリフォルニア(California)州の鎮痛薬依存症専門医と治療について話し合う準備をしていた。生前健康志向として知られていたプリンスさんは、食べ物にも気を遣っていた他、薬物を乱用するミュージシャンに対しては批判的な態度を示していた。だが私生活について公にすることはなく、長年ステージ上での激しい動きを続けた末に受けた股関節の手術に起因する痛みに苦しめられていたとされる。(c)AFP