【8月22日 AFP】リオデジャネイロ五輪最終日の21日、華やかな閉会式を前に行われた男子マラソンのこぼれ話。

■猫ひろしの次はヨルダン陸軍軍曹

 男子マラソンにカンボジア代表として出場した日本のお笑い芸人、猫ひろし(本名:滝崎邦明、Kuniaki Takizaki)の次にゴールインしたのは、ヨルダン代表のメスカル・アブ・ドライス(Methkal Abu Drais)だった。

 2012年のストックホルムマラソン(Stockholm Marathon)で優勝した、32歳の陸軍軍曹。金メダリストを獲得したケニアのエリウド・キプチョゲ(Eliud Kipchoge)から37分遅れの140位でのゴールインだった。「たぶん今日は自分にとって最高の日じゃなかった。でも、世界最高レベルのマラソン選手たちの中に交ざって五輪に出場したことは、自分にとって成果だ」とAFPに語った。そして「シャワーを浴びて来るよ。2020年の東京五輪では10位以内で終えるよ」と言って去って行った。

■ゴールインのさまざまな形

 五輪男子マラソンの元銀メダリスト、メブ・ケフレジギ(Meb Keflezighi、米国)は、一時はレースをリードしたが失速。ゴール直前、朝の雨でぬれたトラックに足を取られ転倒すると、そのまま腕立て伏せを披露。喝采を受けながらフィニッシュラインを越えた。

 137位だったアルゼンチンのフェデリコ・ブルーノ(Federico Bruno)は、けいれんした脚をひきずりながら、カニ歩きでゴールした。

 イランのムハンマドジャファル・モラディ(Mohammadjafar Moradi)は、ゴール手前20メートルで倒れ込み、必死にクロールをするようにしてゴールした。

 キューバのリシェル・ペレス(Richer Perez)は神の介入を願うかのように「イエスを愛す」と書かれた横断幕を掲げてゴールした。

 一方、途中棄権した選手は15人。そのうちの1人は、リオの悪名高いファベーラ(貧困街)のどこかで倒れていたら戻れていなかったかもしれないと語った。(c)AFP/Alastair HIMMER