リオで成績不振の言い訳は「競争の激化」―中国五輪委会長
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【8月22日 AFP】中国オリンピック委員会(COC)は20日、リオデジャネイロ五輪のパフォーマンスが20年間で最低となっていることを受け、競争の激化を言い訳にする一方で、「欠点」を分析すると表明した。自国開催以外の五輪では、史上最多となる400人以上の選手をリオ五輪に派遣した中国だったが、大会も残り1日となった時点で、金メダル獲得数は1996年アトランタ五輪後では最低の26個にとどまっている。
中国の金メダル獲得数は、2008年北京五輪で全体トップ、2004年アテネ五輪と2012年ロンドン五輪では2位となっているが、リオ五輪では米国のみならず英国にも後塵(こうじん)を拝しており、国内メディアからは批判が噴出している。COCの劉鵬(Liu Peng)会長は、今大会ではレベルの向上が意外な落とし穴だったという認識を示した。
劉会長は「いくつか見過ごせない問題がある。リオ五輪では期待していたほどメダルが取れなかった。大会で試練に遭遇することを客観的に予想できていなかった」と話し、「最近では五輪を重要視する国が増えている。そのため、国際的に競技レベルが向上し、競争が激化している。わが国のパフォーマンスと能力を改善するためには、新たなメンタリティーと理解力を構築しなければならない。経験と知識が不可欠だ」と語った。
中国選手団の4分の3は五輪初出場の若手で占められており、劉会長は経験不足が特に痛手になったとの見解を示し、「若手を鍛えたが、十分ではなかった。厳しい試合や試練に遭遇したとき、彼らは考え過ぎてしまったり、重圧を抱え込んでしまったりしていたせいで、最高レベルのプレーができなかった」と分析した。
その一方で、中国選手としては珍しく陽気な性格で気さくなコメントが母国だけでなく海外でも人気となった女子競泳選手の傅園慧(Yuanhui Fu、フ・エンケイ)に対し、劉会長は温かい言葉を贈っている。
「彼女が示す屈託のない明るさは、自分自身と闘い続け、成功を追い求める精神力をすべて体現したものだ。これが観客の心をわしづかみにした。彼女には『昔ながらの強さ』がある。それは現代の中国選手全員に通じるものだ。自信と行動力があり、常に前に向かって突き進んでいる」
劉会長はまた、中国の選手についてがむしゃらに勝利を追い求めるのではなく、健全な精神で競技に臨んでいると称賛しており、「われわれは中国精神というものを存分に発揮している。決して勝ち誇らず、簡単に諦めず、前を向いて努力し続けていく」と語った。(c)AFP