【8月21日 AFP】米大統領選の民主党候補であるヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏が、国務長官在任中に私用メールアドレスを公務に使用していた問題をめぐる裁判で、連邦地裁のエメット・サリバン(Emmet Sullivan)判事は19日、クリントン氏に書面での証言を命じる判決を下した。

 保守系の行政監視団体「ジュディシャル・ウオッチ(Judicial Watch)」が情報開示を求めて起こした裁判で、サリバン判事はクリントン氏本人が出廷して証言するよう命じることは避けたものの、メール問題に関する同団体の質問に対して30日以内に文書で回答するよう命じた。

 ロレッタ・リンチ(Loretta Lynch)米司法長官は先月上旬、メール問題に関するクリントン氏の訴追を見送ることを明らかにしている。ただ、連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー(James Comey)長官は、クリントン氏や側近が機密に関する法令に違反したことを裏付ける明らかな証拠はなかったとする一方、慎重を期すべき機密情報の扱いが極めて軽率だったことを示す情報はあると発表した。

 クリントン氏はすでに謝罪しているものの、同氏に批判的な人々は、機密文書をサイバー攻撃から保護する規則に違反したのは犯罪に匹敵しうると主張している。ジュディシャル・ウオッチの訴訟で、メール問題は大統領選の投票日である11月8日まで尾を引く可能性もある。(c)AFP