【8月21日 AFP】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は20日、米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の所有企業の抱える負債総額が少なくとも6億5000万ドル(約650億円)に上り、出馬に当たって当局に提出した個人資産報告書の記載の2倍以上に膨れ上がっていると報じた。

 NYタイムズ紙は、トランプ氏が米国内に所有する企業やゴルフコースなど30社余りについて、一般公開されているデータを資産情報会社を通じて検索調査。6億5000万ドルの負債に加え、資産の多くが受動的パートナー3社に投資され、そこでも20億ドル(約2000億円)の借り入れが生じていることが分かったと伝えている。

 トランプ氏は選挙戦で不動産事業での華々しい成功をアピールし、100億ドル(約1兆円)の価値があると豪語。商才にたけていることこそ、自分が米大統領職にふさわしい大きな理由だと主張してきた。

 一方で、共和党内でも要求する声が高まっている確定申告書の公開や、保有資産の外部査定をトランプ氏は拒否している。

 トランプ氏の選挙陣営が連邦選挙委員会(FEC)に提出した個人資産報告書には、所有企業全体で少なくとも3億1500万ドル(約315億円)の負債があると記されていた。NYタイムズ紙は、トランプ氏には事業活動の全てを公開する義務はなく、この記載は正確とみられると指摘。不正行為があったと批判してはいない。

 しかし同紙は、今回の調査で「トランプ氏の事業がどれだけ謎に包まれているか」が浮き彫りになり、また「その資産が幅広い資金援助者に深く依存し、その中には選挙戦でトランプ氏が攻撃した企業も含まれていることが判明した」と報道。大統領に就任すれば、トランプ氏は自身の事業や純資産に大きな影響を与える決断が可能になると述べている。(c)AFP