【8月20日 AFP】ポーランドの首都ワルシャワ(Warsaw)で19日、旧ソ連と東欧の衛星国が結成した軍事同盟、ワルシャワ条約機構(Warsaw Pact)が冷戦(Cold War)時代に西側諸国と開戦した場合に備えて極秘裏に印刷していた紙幣が初公開された。

「E-17」のコードネームを持つこの未使用の紙幣は、1970年代に印刷されてから2015年まで数十年間、最高機密としてポーランドの中央銀行の奥深くの金庫で保管されていた。

 ポーランド造幣局(PWPW)のピオトル・ボイチェホフスキ(Piotr Woyciechowski)局長は19日、報道陣に対して、「この種の紙幣は欧州では恐らくこれだけで……公開されるのは世界初」とコメント。さらに、この紙幣は、戦争が勃発してワルシャワ条約機構がデンマークやオランダ、旧西ドイツなどを占領した場合にこれらの国々で流通させることが狙いだったとみられると述べた。

 1955年に結成されたワルシャワ条約機構は、1991年にソ連崩壊と共に消滅し、同軍事同盟と対立していた北大西洋条約機構(NATO)のみが存続することとなった。

 ポーランドのいくつかの都市の街並みが印刷された紙幣の額面は1~2000ズロチ札まであり、ポーランド造幣局で来年一般公開される予定。(c)AFP