【8月20日 AFP】リオ2016オリンピック・パラリンピック組織委員会(ROCOG)は、来月開幕するリオデジャネイロ・パラリンピックの運営費を削減する最後の手段として、会場1か所と複数のメディア施設を閉鎖し、スタッフと会場の収容人数を減らそうとしている。関係者が19日明らかにした。

 国際パラリンピック委員会(IPC)のフィリップ・クレーブン(Philip Craven)会長によると、補助されるはずの旅費の補助金が予定通りに支払われなかったため、約10か国が選手をリオにたどり着かせるのに苦心することになる。

 クレーブン会長は記者会見で「パラリンピック56年の歴史の中でこのような状況に直面したことはかつてない」と述べ、9月7日から18日にかけて開催されるパラリンピックは「相当な組織上、財政上の課題」を突きつけられているとコメントした。

 ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)市はパラリンピック予算拡充のために1億5000万レアル(約47億円)を拠出すると表明している。クレーブン会長によると、これに加えて国営企業がスポンサーになることでブラジル政府が1億レアル(約31億円)を新たに拠出すると提案しているという。しかしクレーブン会長は、こうした追加拠出でも「リオデジャネイロ・パラリンピックの予算不足を埋めることはできないだろう」と語った。

 運営費の削減はすでに選手たちの移送と食事の品質の面で実施されている。

 ROCOGに対する助成金は、7月29日までに支払われているはずだったが、予算使途の詳細を明らかにするよう求める2件の裁判所の差し止め命令によって棚上げ状態になっている。この助成金は参加165か国に旅費の補助として分配される予定だった。

 パラリンピックが直面している問題は予算削減だけではない。国民に関心を持ってもらえないという問題にも直面している。IPCのハビエル・ゴンザレス(Xavier Gonzalez)CEO(最高経営責任者)によると、チケットは用意された240万枚のうち30万枚ほどしか売れておらず、ROCOGは開幕までに200万枚を売り切りたい意向だという。(c)AFP