【8月19日 AFP】エジプトで国営テレビを運営するエジプト・ラジオテレビ放送連合(ERTU)が、一部の女性キャスターに対し減量するまでテレビに出演させないと申し渡した。人権団体からは批判の声があがっているが、この措置を賞賛する評論家も少なくない。

 一般的にエジプトの公共テレビは政権を代弁するお堅いメディアとみられているが、ERTUのトップ、サファー・ヘガジー(Safaa Hegazy)氏はAFPの取材に、影響を受ける女性キャスターは6~8人になると語った。

 今回の措置についてヘガジー氏は「放送の形式や内容の向上を目的とした枠組みの範囲内だ」と説明。対象となった女性キャスターは減量に成功するまで制作部門で働くことも可能だと付け加えた。

 人権団体らはこの措置は差別的だと猛反発しているが、自身も女性であるヘガジー氏は「女性が運営している機関で、どうして女性を差別できますか」と性差別主義だとの批判を一蹴。「もはや採用された時の彼女たちではない」と述べ、女性キャスターたちが入社した後に体重が増えたのだとほのめかした。

 減量措置の対象となった女性キャスターの一人、ハディージャ・ハッターブ(Khadija Khattab)さんはAFPの取材に応じ、名誉を傷つけられたと感じていると語った。「決定を新聞に掲載したことは、女性キャスターたちに対する名誉棄損に相当する」

 その一方で、テレビ局側の措置を支持する人もいる。国営日刊紙アルアハラム(Al-Ahram)によると、ERTUの決定への賛同を示したあるメディア専門家は、その理由として「女性キャスターは見た目も一つの重要な尺度となる」と語った。「女性キャスターの健康美が画面に生き生きとした印象を与える」のだという。(c)AFP