【8月19日 AFP】米司法省は18日、矯正業務の水準や安全性に問題があるとして、連邦受刑者の収容で民間刑務所の利用を段階的に打ち切ると発表した。米国では一部刑務所の民営化が進んでいたが、コスト削減にもつながっていないとされ、公営に戻していくことにした。

 同省のサリー・イエーツ(Sally Yates)副長官が内部メモで明らかにした。「単純に言って、民間刑務所は(連邦政府が運営する施設と)同じ水準の矯正プログラムやリソースを提供していないし、経費が大幅に抑えられるわけでもない」と指摘。民間刑務所は公営刑務所よりも危険とした司法省の内部監察機関の報告書にも言及した。

 今回の決定で影響を受けるのは、連邦受刑者の11%に相当する2万2000人余りを収容する民間刑務所13カ所。収容者の内訳は、移民法関連の罪に問われたメキシコ人を中心とした外国人が大半を占める。

 世界の受刑者の4分の1を占める米国の受刑者全体からみると、影響が及ぶのはごく一部となる。

 米国で民間刑務所を運営しているコレクション・コーポレーションズ・オブ・アメリカ(Corrections Corporation of America)、GEOグループ(GEO Goup)、マネジメント・アンド・トレーニング・コーポレーション(Management and Training Corporation)の3社の株価は、発表を受けて急落した。(c)AFP