【8月18日 AFP】世界遺産(World Heritage)にも登録されているメキシコの古代都市遺跡テオティワカン(Teotihuacan)の先住民たちがウサギを飼育して食用とし骨を道具として用いていたとする研究論文が17日、発表された。

 米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)に掲載された論文は、1~7世紀の土着文化における小型哺乳類の飼育を示した初の事例の一つだという。

 米カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)研究員で論文の主執筆者のアンドリュー・サマービル(Andrew Somerville)氏の説明によると、古代メキシコにはヤギやウシ、ウマなど家畜用の大型哺乳類が生息していなかった。このため旧大陸(Old World)の社会とは異なり古代メキシコの人たちは動物と密接な関係を築いていなかったと考える専門家が多いという。

 だが遺跡では、複数の部屋の床から高いレベルの土壌リン酸が検出されており動物の食肉処理が行われていたことを示唆しているほか、黒曜石の刃物やウサギの足の骨、低い石壁がみつかったことからウサギの飼育場だった可能性があると、論文は指摘する。

 テオティワカン遺跡では、これまでにも多数の発掘調査が行われてきた。論文によれば、広さ20平方キロメートル、人口は約10万人で、当時の最大中心都市だったという。(c)AFP/Kerry SHERIDAN