ユニに欠陥、競技でも大敗… ルーマニア、五輪委会長が辞任へ
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【8月16日 AFP】リオデジャネイロ五輪で、ユニホームの偽造疑惑が浮上し、過去60年でメダル獲得数が最低水準の事態に陥っている ルーマニア・オリンピック委員会(COSR)のアリン・ペトラケ(Alin Petrache)会長が15日、リオ五輪閉幕後に辞任すると表明した。
ルーマニアでは、冷戦(Cold War)後のスポーツ予算不足の余波がさまざまな形で表面化している。リオ五輪9日目を終えた時点で、同国のメダル獲得数は金1個を含む計4個で、1952年以降では最低の数字となっている。
だが競技結果での失望は続き、国の面目をつぶす事態も発生した。ルーマニア代表の公式ユニホームが、洗濯により縮んだり、ロゴがはがれたり、選手の体に染料の染みを残したりしたのだ。ペトラケ会長は、15日に出された公式声明で「調査が序列によって阻害されないよう、五輪後に辞任する」と表明した。
ユニホームについては、模造品の疑いがあるとして、生産したブカレスト(Bucharest)の企業が警察の捜査対象となっている。
ルーマニアは、1976年に体操競技で近代五輪史上初の10点満点を記録した伝説的な元体操選手のナディア・コマネチ(Nadia Comaneci)さんを輩出した国として知られている。
しかし、過去40年にわたって五輪では毎回メダルを獲得してきた体操女子がリオ五輪出場を果たせなかったことで、国中にショックが広がっていた。その要因は、有能なコーチらが指導報酬の高い米国やフランスなどの外国に流出したこととされている。(c)AFP