【8月15日 AFP】リオデジャネイロ五輪のプールの水が緑色に変色した問題で、競技用プールの水の入れ替えが行われなかった飛び込みの選手から、「沼」に飛び込んでいるようだと不満の声が漏れている。

 マリア・レンク・アクアティック・センター(Maria Lenk Aquatic Centre)の2つのプールのうち、シンクロナイズドスイミングの競技が行われるプールは373万リットルの水の入れ替えが行われた一方で、飛び込みの選手たちは不快な状況のなかでの試技を強いられている。

 14日に行われた女子3メートル板飛び込みで5位に終わったオーストラリアのマディソン・キーニー(Maddison Keeney)は、「競技はまだ続いているのだし、終わるまでに飛び込み用プールの状況も変えてほしい」と話した。

「自分の試技がひどかったのをプールのせいにするつもりはない。そうじゃなくてもっと気持ち的なもので、とにかく不快。今は終わってくれてうれしい。これ以上、沼に飛び込みたくはないから」

 大会関係者は、工事業者が加えた過酸化水素が、水が緑色に変色した原因だと話している。そして、水中の動きも見えなくてはならないシンクロでは採点に影響があるとして、隣の50メートルプールは水を入れ替える「抜本的な」措置が取られた。

 しかし、飛び込み選手は不満をため込んでいる。ドイツのシュテファン・フェック(Stephan Feck)は、自身のフェイスブック(Facebook)に、「誰かおならしたような臭いが会場全体に漂っていた」と投稿。残念ながら同種目で最下位に終わったアビゲイル・ジョンストン(Abigail Johnston)も、プールを「沼」と評している。

 大会広報のマリオ・アンドラーダ(Mario Andrada)氏は、健康への影響はないと繰り返しているが、選手からは不安の声が上がっている。

 同じ女子3メートル板飛び込みで銅メダルを獲得し、今大会2個目のメダルを手に入れたイタリアのターニャ・カニョット(Tania Cagnotto)は、「衛生面は心配でした。自分たちに何も問題がなく、関係者がすぐに対処してくれるといいのだけれど」と話している。

 その一方で、めったにない経験を楽しんでいる猛者もいる。惜しくも表彰台を逃したカナダのジェニファー・エイベル(Jennifer Abel)は、「腕も脚もまだ2本ともついているし、笑顔でリオを去ります。緑の水は気になりません」と話した。

 また、初めての五輪で8位に入賞した英国のグレイス・リード(Grace Reid)も、「私たちは、あらゆる状況に対応できなくちゃならない。外でやっているのだから、水が緑になるのは想定内。私としては、慣れ始めていたところだったから、入れ替えなかった判断は好都合だった」と話した。(c)AFP/Kieran CANNING