【8月14日 AFP】シリアで政府軍の狙撃手に脚を撃たれ重傷を負った10歳のシリア人少女について、英国に拠点を置くNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は14日、政府軍に包囲された街から首都ダマスカス(Damascus)の病院に搬送されたと語った。少女の容体は安定しているという。

 監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFPに「シリアの赤新月社(Red Crescent)が午前0時過ぎに少女をマダヤからダマスカスに搬送した」と語った。

 シリアの治安当局者も「少女は母親とともに治療のためにダマスカスの病院に避難した」とAFPに明らかにし、少女の容体は安定していると付け加えた。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)によると、政府軍に包囲されたシリア南西部のマダヤ(Madaya)に住むギーナさんは今月2日、母親のために薬を買いに外出した際に検問所で狙撃され、左ももの骨が撃ち砕かれる重傷を負い、ほぼ絶え間ない激痛に苦しんでいる。

 アムネスティは米露主導のもとシリアで活動している国連(UN)の人道支援タスクフォースに対し、病院で緊急手術を受けさせるため一刻も早いギーナさんの避難を要請した。

 アムネスティは、ギーナさんをマダヤからダマスカスか隣国レバノンの病院に搬送することを拒否しているとしてシリア政府を非難していた。(c)AFP