洪水で流されてきたゾウ、村人らに救出される バングラデシュ
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【8月12日 AFP】インド北東部アッサム(Assam)州で6月下旬に発生した大規模な洪水によって群れからはぐれバングラデシュ領内に流されていた雌のゾウが11日、救出された。一時ゾウの命が危ぶまれる場面もあった。
地元の獣医師によると、体重4000キロのこのゾウは鎮静剤の矢を撃たれると怒り狂って池の中になだれ込んだ。水中に倒れ込んで溺れるのを防ごうと地元の村人らが池に飛び込んだ。獣医師は「数十人が池に飛び込み、ゾウをロープとチェーンで縛るのを手伝ってくれた。そしてようやく、村人数百人の助けを借りて、ゾウを乾いた地面の上に引き上げることができた」と語った。
保護活動家のアシット・ランジャン・ポール(Ashit Ranjan Paul)氏によると、このゾウはバングラデシュ領内に入る前にすでに1000キロ程度移動していたとみられるという。かなり衰弱しているこのゾウを追跡してきたバングラデシュ森林局のチームは、サファリパークでこのゾウの世話ができるのではないかと期待しているが、そこにゾウを連れていくのは容易なことではない。
森林局のゾウ追跡チームの1人、タパン・クマール・デイ(Tapan Kumar Dey)氏は「近くに舗装された道路がないので当面はここでこのゾウに餌や薬を与える」と述べた。「ゾウの体力が回復したら、ゾウ遣いと人に慣れたゾウ1頭を使って舗装された道路まで連れていき、そこからサファリパークまで輸送する」
今月に入りインドの野生動物保護当局者3人がバングラデシュを訪れていたが良い結果を出すことはできなかった。そのうちの1人リテシュ・バッタチャルジー(Ritesh Bhattacharjee)氏はAFPに「このゾウはとても衰弱していて、鼻を持ち上げることさえできない。遠くからでもあばら骨が浮き上がっているのが見える」と話していた。(c)AFP