【8月12日 AFP】(更新)英紙テレグラフ(Telegraph)は10日、6~7月に開催されたテニスのウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)で若手女子選手1人が毒を盛られた可能性があるとして、ロンドン(London)の警察当局が捜査を行っていると報じた。

 ガブリエラ・テイラー(Gabriella Taylor)選手(18)は7月、大会を途中棄権した後、集中治療室で4日間過ごした。テレグラフ紙によると、警察はテイラー選手が意図的に毒を盛られたかどうかを捜査しているという。

 テイラー選手は、動物を介して広がる、非常にまれな細菌感染症のレプトスピラ症と診断されたと報じられている。レプトスピラ症は発症するとまず、かぜに似た症状が出て、重症化すると内出血や臓器不全などを引き起こす恐れがある。

 テイラー選手の体調について母親は、大会前までは万全だったとしており、「自信に満ちあふれていましたし、タイトルを獲得することを楽しみにしていました。それが彼女の夢で、すべて順調でした」と語った。

「彼女は準々決勝に進出しましたが、その後は集中治療室に入り、命にかかわる状態まで陥りました」

 テイラー選手の母親はまた、同選手は自分で飲む水をプレイヤーラウンジに放置していたことがよくあり、その際に何者かによって毒が盛られたのではないかと推測している。

 警察当局はAFPの取材に、被害者の身元を18歳女性とのみ明かした上で、人命を危険にさらしたり人体に重大な危害を加えたりする意図があって何者かが毒を盛ったのかどうか捜査していると述べた。警察当局の声明によると、被害者が体調を崩したのは7月6日で、いつどこで毒を盛られたのかは不明。これまでに逮捕者などは出ていないという。

 ウィンブルドンの広報担当者はAFPに対し、今回の事件は警察が捜査に乗り出しているため、「われわれがコメントするのは適切ではない」と語った。

 世界ランキング381位のテイラー選手は、すでに退院して練習を再開しており、ツイッター(Twitter)に「コートに戻ってこれられてうれしい!!一歩ずつ前進したい」と投稿している。(c)AFP