【8月11日 AFP】米国務省は10日、世界の信教の自由に関する年次報告書を発表し、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」がキリスト教徒やイスラム教シーア派(Shiite)、クルド系少数派ヤジディー(Yazidi)教徒に対する「ジェノサイド(集団虐殺)」を行っていると糾弾した。

 国務省は世界200か国以上について2015年の包括的概観を発表。宗教を抑圧している国としてサウジアラビア、中国、イラン、パキスタン、アフガニスタン、スーダンを名指ししたほか、昨年に引き続き、欧州で反ユダヤ主義と反イスラム主義が拡大していることへの懸念を表明した。

 一方で、ISやナイジェリアのイスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」など政府以外の組織についても、「世界の信教の自由を侵害する極悪非道の虐待者」と糾弾。ISは「支配地域でヤジディー教徒やキリスト教徒、イスラム教シーア派、その他の弱者たちに対し、(ジョン・)ケリー(John Kerry)国務長官がジェノサイドだと非難した残忍な戦略を今も続行している」と指摘した。 (c)AFP/Nicolas REVISE