3000年前の10代少年の墓、「人身御供」の証拠か ギリシャ
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【8月11日 AFP】ギリシャの山でこのほど発見された約3000年前の墓が、当時、神へのいけにえとして人が捧げられていたことを示す希少な証拠である可能性が出てきた。考古学者が10日、明らかにした。
男性のものとみられる10代若者の骨が埋葬されていたこの墓は、ペロポネソス(Peloponnese)半島にあるリュカイオン(Lykaio)山の山頂で、2004年より同地域で発掘作業を続けてきたギリシャと米国の調査チームによって数週間前に発見された。
地元考古学局のアンナ・カラパナギオツ(Anna Karapanagiotou)局長は、「今回の発見は、このような古代の儀式に関する、さらなる解明の糸口になるだろう」とアテネ(Athens)の地方ラジオ局に語り、「他に類を見ない(発見だ)」と述べた。
当局者によると、リュカイオン山はギリシャ神話の主神ゼウス(Zeus)の聖地とみなされており、ここでは紀元前1600年から数百年後まで、動物のいけにえをささげる祭礼がすでに営まれていたという。
「後の時代の発掘資料は、リュカイオン山で人の神へのいけにえが行われていたことを物語っている。これに関してはすべて、今後の研究対象となる予定だ」とカラパナギオツ局長は話した。
墓の人物は、岩に掘ったくぼみの中に埋葬されていた。見つかった骨の頭蓋骨は、下顎を除くその大半が失われていた。
紀元前11世紀という年代測定結果は、いけにえの殺害を裏付ける上で重要となる可能性がある。この時代には、青銅器時代(Bronze Age)のミケーネ文明が、鉄製の武器を使うドーリア人の侵略によって崩壊している。(c)AFP