【8月11日 AFP】リビアの統一政府勢力側部隊は10日、中部シルト(Sirte)でイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の本拠を制圧したと発表した。ISがリビアに持つ最大拠点である同市でのIS掃討作戦で大きな勝利となった。

 当局者らによると、IS戦闘員は依然として市内の数か所にとどまっているものの、ISがシルトで本拠を置いていたワガドゥグ(Ouagadougou)会議センターの制圧は、制圧は統一政府勢力側部隊にとって重要な目標に位置付けられていた。

 シルトでは先週、統一政府勢力の要請を受けて米軍がISの拠点を空爆。10日にはこれに先立ち、統一政府勢力側部隊が市内で一気に進撃していた。統一政府勢力側部隊の司令部は「ワガドゥグ会議センターはわれわれの手中にある」と宣言した。

 この日の戦闘での双方の死者数は現時点では明らかになっていないが、司令部によると大学キャンパスの奪還戦で過激派戦闘員少なくとも20人が死亡したという。

 首都トリポリ(Tripoli)の東450キロメートルにあるシルトは、故ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が2011年に追放された後の混乱に乗じてISが掌握。今年6月に入って統一政府勢力側部隊が進攻した。

 米アフリカ軍(AFRICOM)は10日、「オデッセイの電撃作戦(Operation Odyssey Lightning)」の一環として、9日時点でIS拠点を狙った空爆を29回実施したと発表している。(c)AFP/Rim Taher