【8月11日 AFP】行き過ぎた「パッケージ化」、多過ぎるコマーシャル、そして、ゴールデンタイムで放送するために生中継されない主要競技──。米国では、NBCテレビによるリオデジャネイロ五輪の独占放送に対する不満の声が、視聴者から相次いでいる。

 問題は、5日の開会式から始まった。放送の遅れがあったほか、事前に用意された映像やインタビューが幾度も挿入され、視聴者は開会式をノーカットで見ることができなかった。

 開会式当夜の視聴率は、2012年ロンドン五輪と比べ3割も落ちた。ただ、実際の競技が始まると、視聴率は若干上昇した。

 ツイッター(Twitter)では、開会式の中継に不満を持つユーザーらが「#nbcfail(NBCの失態)」というハッシュタグ付きのコメントを次々と投稿。このハッシュタグは、競技に関する投稿にもつけられた。

 あるユーザーは「五輪は大好きだけど、NBCの放送はとても見られたものじゃない。私が見たいのはスポーツで、つまらないコーナーとか、永遠に続くCMじゃない」と投稿した。

 リオ五輪では9日午後、体操女子団体で米国が金メダルを獲得したが、NBCは3時間近くたったゴールデンタイムに、同種目の様子をあたかも今起きているかのように放送した。

 また、NBCが大会組織に働きかけ、スター選手のマイケル・フェルプス(Michael Phelps)率いる競泳男子米国代表チームの金メダル獲得をかけた決勝戦を、米国のゴールデンタイムに合わせて実施させたことも、批判を浴びている。同レースは生中継されたが、米東部沿岸地域では深夜帯での放送で、視聴者をいらだたせた。

 NBCの広報担当者は電子メールによる声明で、2012年ロンドン五輪からの試みとして「全競技は例外なくライブストリーム配信されている」と説明している。

 しかし、ネット配信サイトを見つけられなかったり、見つけられても大きなテレビ画面に映し出す方法が分からなかったりする視聴者も出ている。また、NBCのライブストリーム配信はプロの放送局が行うレベルには程遠く、障害によって満足な視聴ができないこともあると指摘する声も上がっている。(c)AFP/Rob Lever