米LAで車乗っ取り事件、保安官代理が無関係の黒人男性を射殺
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【8月10日 AFP】米カリフォルニア(California)州ロサンゼルス(Los Angeles)郡の保安官事務所は9日、先月28 日に保安官代理に射殺された黒人男性は、この事件のきっかけとなった自動車乗っ取り事件とは無関係だったと認めた。
射殺されたドネル・トンプソン(Donnell Thompson)さん(27)は、米国全土で抗議を巻き起こしている警官による一連の黒人男性射殺事件の最も新しい犠牲者となった。
保安官事務所によると、先月28日の早朝、パトロールをしていたロサンゼルスのコンプトン(Compton)地区の保安官代理らは交通違反をした車に停車を命じ、ナンバープレートを調べて盗難車と判断した。車が走り出したため、保安官代理らは共同住宅の区画まで追跡した。車に乗っていた容疑者は保安官代理らに向けて発砲し、パトロールカーに銃弾が当たったという。
容疑者が逮捕された後、保安官代理らはトンプソンさんを発見した。トンプソンさんの片手が隠れて見えない上、何度も指示したにもかかわらずトンプソンさんが応じなかったと保安官事務所は説明している。
トンプソンさんが自動車乗っ取りに関与し、まだ武器を持っているのではないかと恐れた保安官代理の1人が、ようやく立ち上がって向かってきたトンプソンさんに発砲した。
保安官事務所によると、コンプトン地区の住民が庭に横たわっているトンプソンさんを発見して電話で救急に通報した。武器は発見されなかった。発砲した保安官代理は現場勤務から外された。
保安官事務所は9日声明を発表し「乗っ取られた車にトンプソン氏が乗っていたとの証拠はない」と結論づけたと明らかにした。トンプソンさんの遺族は人種差別を動機とした射殺だったとして、公式な謝罪を要求している。(c)AFP/Frankie TAGGART