【8月10日 AFP】元プロボクサーでフィリピンの英雄マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)氏が10日、11月に現役復帰し、WBO世界ウエルター級王者のジェシー・バルガス(Jessie Vargas、米国)と対戦することを正式に発表した。

 8階級制覇を成し遂げた37歳のパッキャオ氏は、プロモーターのボブ・アラム(Bob Arum)氏と9日にフィリピンの首都マニラ(Manila)で会談し、声明を発表した。

「イエスだ。試合はある。11月5日にWBO世界ウエルター級王者のジェシー・バルガスと戦うことで合意した。ボクシングは私の情熱だ。ジムの中やリングの上でやっていたことが恋しかった」

 ティモシー・ブラッドリー(Timothy Bradley、米国)を下した今年4月の試合をもって現役引退を発表したパッキャオ氏は、政治にわが身をささげるとして、5月にはフィリピンの上院議員に当選したが、その後リング復帰の意思を明らかにしていた。

「ボクシングは私の最大の収入源だ。公人としての収入に頼ることはできない」

「私は妻や私の家族を支えている。また、多くの人が私の下に援助を求めてやって来る。彼らを無視することはできないんだ」

 通算成績27勝1敗(10KO)のバルガスは先週、米ラスベガス(Las Vegas)での試合実現に向けてパッキャオ陣営と話し合っていたことを明かしており、パッキャオのマネジャーを務めるマイケル・コンツ(Michael Koncz)氏は、試合のプロモーションツアーが9月8日から10日かけてロサンゼルス(Los Angeles)で行われることを示唆していた。

 通算成績58勝6敗2分け(38KO)のパッキャオ氏は、政治家としての職責を果たすため、プロモーション後はすぐにフィリピンに帰国することを明かしている。

「政治家としての仕事を全うするため、すべてのトレーニングキャンプはここフィリピンで行われる予定だ。これは選挙時の公約であり、私はそれを守りたい」

 上院議員に当選する前の下院議員時代にパッキャオ氏は、国会を欠席する日が多いと批判されていた。(c)AFP