フィリピンの超過密拘置所、当局が改善へ AFP報道きっかけで
このニュースをシェア
【8月9日 AFP】フィリピン当局は9日、ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が率いる「麻薬撲滅戦争」によって、「非人道的」で「容認しがたい」ほどの過密状態に陥っている拘置所の状況を改善するため、政府が拘置所を新設すると発表した。
マニラ首都圏(Metro Manila)ケソン市(Quezon City)のジョイ・ベルモンテ(Joy Belmonte)副市長によると、当局が新拘置所の建設を急ぐきっかけとなったのは、数千人の収容者らが交替で屋外のバスケットボール場や階段で寝ている拘置所の様子を捉えたAFPの写真だったという。60年前に建てられた定員800人の拘置所には現在、約4000人が収容されている。
拘置所の状況は耳にしていたものの、7月にAFPのフォトグラファーと初めて訪れたというベルモンテ副市長はAFPの取材に対し「あの写真は本当に容認できないものだ。スペースがないために収容者同士が重なり合って寝ているのは人権侵害であり、早急に取り組むべき問題だ。世界の読者の前に暴露されたことは、目を開かせるきっかけとして良いことだった」と語った。
ケソン市は8日、新設する拘置所のための敷地を政府に提供する合意書に署名した。また、イスマエル・スエノ(Ismael Sueno)内務相はAFPに対し、政府は拘置所新設のための予算を計上すると語った。最近入所した収容者の80%は、6月30日に就任したドゥテルテ大統領の「麻薬撲滅戦争」で検挙された麻薬関連の犯罪者だという。
スエノ内相はまた、内務省として更生施設の増設も計画していると述べた。(c)AFP