【8月9日 AFP】海水温の上昇を受け、インド洋の島国モルディブのサンゴ礁で深刻な白化が進んでいる。国際自然保護連合(IUCN)が8日、警鐘を鳴らした。

 IUCNは声明を発表し、モルディブのサンゴ約60%に白化がみられ、一部海域ではその数字が90%に達しているとした。研究では、モルディブ海洋研究センター(MRC)や米環境保護局(EPA)と共同で実施した調査結果のデータが用いられた。世界のサンゴ礁の3%がモルディブの海にある。

 サンゴの白化現象は、海水温の上昇など、環境の変化によって、光合成を行う微小な藻類がサンゴから離れることで発生する。環境が元に戻らなければ白化したサンゴは死滅する。

 科学者らの報告によると、昨年から今年の初めにかけて、地表と海面付近の気温は観測史上の最高値を記録しているという。

 米海洋大気局(NOAA)によると、2014年半ばから世界中のサンゴ礁で広範囲にわたる白化現象がみられるようになったという。

 今年は、世界最大のサンゴ礁生態系を形成する全長2300キロメートルのグレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)でも、観測史上最悪の白化現象に見舞われている。(c)AFP