溺れた妻助けた若者を酔って刺殺 露バイカル湖で男逮捕
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【8月9日 AFP】ロシア南部にある世界で最も深い淡水湖、バイカル湖(Lake Baikal)で、溺れた自分の妻を救助してくれた若者を男が刃物で刺し、死なせる事件があった。男は酒に酔っていたといい、身柄を拘束された。地元の捜査当局が8日発表した。
東シベリア(Eastern Siberian)のブリャート(Buryatia)共和国の捜査当局によれば、事件が起きたのは6日午後。ロシア人の男(50)と妻がバイカル湖の湖畔で酒を飲んだ後に湖で泳いでいたところ、妻が溺れた。近くにいた若い男性のグループが妻の叫び声を聞きつけ、男が妻を引き上げるのを手伝った。ところが、酔った男は若者たちに向かって怒鳴り始め、そのうちの一人を押しのけたという。
目撃者が捜査当局に語ったところによると、若者たちが助けた妻をキャンプ場に運ぶと、男は走ってナイフを取りに行った。戻って来た男は報復すると若者たちを脅しつけ、彼らがナイフを取り上げようとしたところ、2人が男に刺されたという。
このうち27歳の男性は臀部(でんぶ)を刺され、病院に運ばれたが出血多量で死亡した。もう一人の男性は首を刺されたが、命に別状はなかった。
捜査当局者は犯人の行動について「犯罪行為というだけでなく極めて不道徳」だと批判し、「著しく刑が重くなる可能性がある」との見方を示した。
男は正当防衛を主張しているが、傷害致死罪の罪に問われており、有罪と認められれば最長15年の禁錮刑を受ける可能性がある。捜査当局者の話では、酒に加えて薬物も摂取していたという。
ロシア内務省のまとめによると、今年前半に国内で発生した犯罪のうち、35%は酒に酔った容疑者によるものだという。(c)AFP