【8月9日AFP】リオデジャネイロ五輪で間違ったデザインの中国国旗が使用され、中国国内で怒りの声が噴出している問題で、大会組織委員会は8日、問題の国旗を差し替えると発表した。一方で、問題のデザインは中国政府から承認を受けたものだったと強調している。

 問題のデザインでは、大きな星の中心を指すように並ぶはずの4つの小さな星が、すべて上を向いていた。間違いが発覚すると、愛国心の強い中国人の間で怒りの声が巻き起こった。

 大会組織委の広報を務めるマリオ・アンドラーダ(Mario Andrada)氏は「旗に問題があるというのは承知している。非常に小さな問題だ」と説明。「中国国旗に慣れ親しんでいなければ分からないレベルの違いだが、修正する必要はある」と述べた。

 間違った中国国旗は既に、開会式で同国選手団の旗手を務めた雷声(Lei Sheng、シェン・レイ)が掲げたほか、大会3日目までのメダル授与式で計8回掲揚された。

 中国国旗のデザインには大きな意味があり、大きな星は中国共産党を、4つの小さな星は労働者、農民、知識階級、愛国的資本家という4階級に分かれた中国人民を象徴している。中国総領事館は、この問題をめぐり大会組織委に正式に抗議した。

 アンドラーダ氏は「昨日、国旗を製造しているメーカーと連絡を取り、現在正しいデザインの旗を作ってもらっている。もうすぐ納品され始めるだろう」と語った。

「しかし、この問題はわれわれにとっても遺憾である一方で、あの国旗はブラジルに拠点を置く中国当局機関が許可したものだったということも強調しておきたい。今は、問題の国旗をできるだけ早く差し替えられるよう努力しているところだ」

(c)AFP