紛争地アフガニスタンを訪れる旅、冒険か 無謀か
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【8月8日 AFP】内戦で混乱するアフガニスタンから、人々が数千人規模で国外へと脱出するなか、米国人バックパッカーのジョン・ミルトン(John Milton)さん(46)は最近、そこでの休暇を目的に、あえて同国を訪れた。
ガイドブックとほんの少しの荷物、そして揺るぎない冒険心を抱くミルトンさんのような屈強な「ウォー・ツーリスト」たちは毎年、誘拐や爆発のリスクへの忠告を無視してアフガニスタンの手つかずの山々や中世の遺跡の観光にやってくる。
しかし、同国西部のヘラート(Herat)州では4日、米国人と欧州人の観光客らが旧支配勢力タリバン(Taliban)に襲撃され数人の負傷者が出たばかり。この事件の発生を受け、紛争地帯で命を危険にさらすこうした旅行者らには大きな注目が集まった。
以前は金融業界で働いていたミルトンさんは、6月にアフガニスタンに入国。これまでにもソマリアや北朝鮮といった場所でも休暇を過ごしたことがあるという。ミルトンさんは、紛争地帯や誰も足を踏み入れたことのない場所を訪れることは、ありきたりの観光地を回るよりもはるかに得る物が大きいと話す。
4日の事件では、英国人8人、米国人3人、ドイツ人1人を乗せた観光バスが、ヘラート州の治安の悪いエリアをアフガニスタン軍に警護されながら通行していた際、タリバンの銃撃を受けた。
事件ではアフガニスタン人の運転手を含む7人が負傷。ソーシャルメディアでは、攻撃に巻き込まれた観光客らが欧米諸国の大使館の大半がアフガニスタンへの渡航警告を出しているなかで同国を訪れたことを疑問視する声であふれた。
このツアーを企画したのは英国を拠点とする旅行会社ヒンターランド・トラベル(Hinterland Travel)とされており、負傷者にはこのオーナーも含まれているという。企画に対しては無謀すぎるとの批判が集まっているが、オーナーからのコメントはない。