【8月8日 AFP】(更新)国際パラリンピック委員会(IPC)は7日、国家ぐるみの組織的なドーピングを行っていたことが明らかになったロシアについて、来月開幕するリオデジャネイロ・パラリンピックから全面的に除外することを発表。IPCのフィリップ・クレーブン(Philip Craven)会長は、「道徳を欠いた手段を用いたロシアのメダル獲得は本当に不快だ」と語った。

 今回の処分は、 ロシアの選手が9月7日から18日にかけて開催されるリオデジャネイロ・パラリンピックから追放されたことを意味している。現在開催中のリオデジャネイロ五輪では、 国際オリンピック委員会(IOC)がロシア選手の出場を認めたが、各競技団体の判断により、100人以上の選手が出場を禁止された。

  クレーブン会長は「手元にある事実をもとに、国家ぐるみのドーピングがロシアのスポーツ界でまん延していて、その手は障がい者スポーツにも及んでいることがわかり、われわれはとても悲しんでいる」と語った。

「残念なことに、この状況は選手によって行われるようないかさまではなく、国家のシステムによるものだ」

「残念なことに、ロシアのスポーツ界でまん延しているドーピング文化は、選手個人によるものではなく、ロシア政府を起因としていていることが問題だ。こうした国家ぐるみのドーピングは、すでにWADAによる報告書で明らかにされている」

 ロシアは、世界反ドーピング機関(WADA)の独立調査官リチャード・マクラーレン(Richard McLaren)氏による報告書で指摘された国家ぐるみのドーピングを否定しており、ビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)露スポーツ相は、今回のIPCの決定について「信じられない」とコメントした。(c)AFP