フィリピン大統領、「麻薬に関与」の政治家ら160人以上を名指し
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【8月7日 AFP】「麻薬撲滅戦争」を率いているフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は7日、麻薬取引への関与が疑われる政治家、高官、判事ら160人以上を名指しし、制裁が加えられるだろうと警告した。
5月の大統領選で勝利したドゥテルテ氏は、半年以内に社会から麻薬と犯罪を撲滅するという公約を掲げ、そのためならば何万人でも犯罪者を殺害すると宣言。実際、ドゥテルテ大統領の就任以降、麻薬取引などに関与していたとして殺害された人数は約800人に上るとみられている。殺害を実行しているのは警察や非公式の自警団だとされている。
ドゥテルテ大統領は7日の夜明け前に行った演説で「私が話すことに適正手続きなど関係ない。そんな手続きはないし、弁護士もない」と述べた後、麻薬との関与が疑われる人物として判事9人、元議員や現職議員、市長など自治体長50人以上、さらに現職および退職した警察官や兵士の名前を挙げた。その上で、こうした高官らの護衛の引き揚げを命じ、彼らの武器所持許可を取り消し、制裁を受けることになるだろうと警告した。
ドゥテルテ大統領は南部ダバオ(Davao)で報道陣や軍兵士らに対し 「たとえわずかでも抵抗のために暴力を行使すれば、私は警察に『撃て』と命じるだろう」と語った。
率直な物言いで人気を集めているドゥテルテ大統領は一方で、名指しした高官らの容疑について誤りがある可能性も認めつつ、リストを作成したのは軍と警察で、政治色や個人的な関係は反映されておらず、名前が挙がっている人物の一部は自分の友人でさえあると述べた。
マーティン・アンダナール(Martin Andanar)大統領報道官は、今回名前が挙がった人物らは刑事告発されるだろうと述べた。(c)AFP